Ⅴ.楽器

C.C.シャイニー・エアロケース

トランペットのケースは色々なものが世に出回っています。ハード/ソフト、シングル/ダブル/トリプル、etc。僕もこれまでに色々なケースを使ってきました。

かつては荷物を一まとめに出来るのが便利だと考え、大きなケースを使っていました。楽器の他にミュートや小物、譜面、手荷物など全部が入るケース。でもさすがに重く、斜め掛けやリュックにしても背中を痛めましたし、大きいので人や物によくぶつかっていました。
そもそも荷物の量はその時々で違うのに「大は小を兼ねる」という考えでどんどんケースが巨大化、移動や乗り物への積み込みが難しくなってしまいました。
またセミハード・ケースにはチャック式のものがよくありますが、重さに耐えられず、特に角の部分が壊れてバックリ開いてしまうことがありました。
ソフトケースは軽くて快適ですが、潰されないかが心配で置き場所に困りますし、都心の満員電車に安心して乗れません。

以上により、僕的には“丈夫でコンパクトなシングル・ハードケースが良い”との結論に達しました。チャックではなく、金具で蓋を閉じるもの。荷物はその時々に応じて鞄を別に持つことにしました(大きめのリュックを背負ってますが、楽器じゃないので気楽です)。
最近の僕が3年ほど使っているケースは、これです。

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C.C.シャイニー・エアロケースと同じものですが、“Eastman”というステッカーが貼ってありました(剥がれました)。だいぶ使い込んでいるのもありますが、この色合いや、表面のシボ加工がEastman独自のものらしいです(TAOで買った中古なので、選んだわけじゃありません)。
ハードケースなのに超コンパクト、飛行機内はもちろん、高速バスの狭い網棚にさえ収まります。内部は楽器型にくり抜かれていて防御力十分、椅子の高さから落としても中の楽器は無事でした。

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楽器以外にマウスピース1本分のスペースと、オイルやグリス、スワブなどが入る小物入れ(蓋付)があります。僕はマウスピースを1本しか使わないのでこれで十分、楽器の隙間にクロスを押し込み、蓋の内側アンコに鉛筆とクリーニングロッドを差し込んでいます。ベル収納スタンドは勿論入りますが、僕はスタンドがあまり好きじゃないし重いので入れてません。

あと、僕はストラップを使わないので外しています。最近のケースは3WAYを売りにしたものが多いようですが、僕はストラップがそんなに便利だとは思いません。ここまでコンパクトで軽いケースならストラップはかえってかさばりますし、置いたときにプラプラとたるんで邪魔です。背負ったり降ろしたりする瞬間がどうも危なっかしく、楽器に自分の目が届かないというのも良くないと思っています。自転車に乗る場合は別ですが、都心を公共交通機関で移動するなら、手に持ち、こまめに置く、そして雑踏では抱える、この3パターンがシンプルで安全、ラクだと思います。とくにこのケースは極薄なので抱えやすいです。

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このケースの唯一の難点は、持ち手が粗末な作りで壊れやすいこと。僕はレザークラフト用品で革製の持ち手を購入し、交換しました。そして念のため、僕はこのケースにベルトを必ず巻くようクセ付け、蓋の金具閉め忘れ対策としています。

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「オジサンが学生みたいな可愛いケースを」とよく言われますが、オジサンだからこそ見た目より使い心地が優先。
中古で¥8,000で購入したケースですが、新品は2万円以上と結構するようです。でももし今のものが壊れてしまったら、2万円出して同じものを買うと思います(何色にしようか選ぶのも楽しそうです)。そのくらいこのケースに満足しています。

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使用楽器

僕は大人になってから、好きなジャズを吹きたくてトランペットを始めました。スタートが遅く、まるで自己流もいいとこです。
ジャズへのこだわりはありましたが、それだけで吹けるほどトランペットという楽器は甘くなく、自分なりにいろいろ研究してきました。その成果の一つが、現在の楽器のセッティングです。

【Bach180ML 37/25】

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僕の使用しているモデルは“Bach180ML 37/25”というもので、世界で最もユーザーが多いトランペットです。ただ僕のはラッカー(透明な樹脂被膜を塗布したもので、地金の色が見える)モデルで、銀メッキのモデルと比べると少数派のようです。ラッカーは、銀メッキよりも軽めの音色になります。

それ以前は某国産メーカーのライトモデルを吹いていました。軽い楽器は抵抗が少なく吹きやすい、と思っていたのです。でもその頃の僕はいつもすぐに「バテ」、ペース配分やコンディション管理に神経質になっていました。

ところがある時何気なくBachを試奏してみたら、力任せに何時間も楽しく吹けてしまいました。その場で購入即決し、やがて3本のBachラッカーを所有することになりました。

そうしてわかったことですが、軽い楽器は抵抗が少ないのではなく、特殊な部分に抵抗が設けてあり、コントロールするのにかなりのコツや冷静さが要る、ということ。それなりにパワーがある人は、ある程度重さのある素直な楽器を吹いた方が直感的で全然ラクだと思います。
Bachはそんな楽器ですが、一点だけ不満があり改善しました。それはチューニングスライドです。

【ラウンドクルーク】

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持っている3本のBach全てに、僕は“ラウンドクルーク・チューニングスライド”を装着しています。Bach純正品が別売されていますが、どうやら通常のスクエアクルークよりも長いようで、冬場の野外演奏など気温の低いときにピッチを修正しきれないので、TAOでラウンド部分を短く加工してもらいました(本体側を切ると言ったら、TAOに反対されました)。よって正確には半円形ではなく、セミラウンドです。写真のものはノーラッカーですが、他のにはラッカーがかかっています。
通常のスクエアクルークは息が引っ掛かり、それが高音への足掛かりとなっていますが、ラウンドクルークにはそれがなく、息はスルスルと抜けていきます。演奏中にノリや感情に左右されやすい僕はスクエアの“引っ掛かり”というアシスト機能を使いこなせず、違和感しかありません。
ラウンドクルークにして実力やコンディションがモロに出るようになりましたが、違和感がないので演奏中に「バテ」ることもあまりなくなりました。

【オリジナルマウスピース・AK1】

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沢山のメーカーから様々なモデルが出ているとはいえ、マウスピースの各部位・・・カップ、エッジ、リム、スロート、バックボアetc、それぞれの形やサイズを自由に確かめるのは、既製品では無理な気がします。そこでネジ式のマウスピースを作って各部位をあれこれ試すという方法がありますが、それだとネジの締め具合などによっても変わってしまいそうです。僕は理想のマウスピースのイメージがなんとなくあったので、YAMAHA銀座アトリエにオリジナル・マウスピースをワンピースで制作してもらい、運良くそれは成功しました。
長い事使ってきたYAMAHA11C4N(中川モデル入門用)を、同じくYAMAHAのカスタムモデルという少し重いマウスピースに移植、その後スロートをドリル#26くらいに(中川モデルは#28、通常モデルは#27)拡張しました。大きめなスロート + 狭い中川バックボアで、全体の形状がストレートに近くなっています。
これらにより、オープンな吹奏感と抵抗感が両立出来た、と感じています。このマウスピースに、僕のイニシャルから“AK1”と刻印してもらいました。

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全体的に、僕の楽器はMonetteに方向性が近いと言えます。オープンな息の流れと、重さによる抵抗感、という方向性です。感情や力に任せて吹きたい人には有効なセッティングだと思います。

では、3本の楽器それぞれを紹介します。

【#216757】Bach180ml3725216757赤味を帯びていますが、普通のラッカーモデル。1980年代中頃の物。組付けが雑でしたが、修正したら吹きやすくなりました。

【#400433】Bach180ml37252400433初めて入手したBachで、1990年代初頭のもの。ノンラッカーのラウンドクルークを装着、ベルU字形状もラウンドです。

【#439108】Bach180ml3725439108 友人から譲ってもらった、1990年代中頃のもの。遠鳴りするのでモニタリングが優しく、アコースティックな現場が多い僕はメインで使用しています。

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