Ⅴ.楽器

Bach Early Elkhart

僕がいまメインで使っているトランペットはBach180ML 37/25という一見ありふれたものですが、1965年製の“アーリーエルクハート”と呼ばれるヴィンテージモデルです。

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シリアルナンバーは#31134。創業者Vincent Bach氏が生前、工場をインディアナ州Elkhartに移転して間もない頃のハンドメイド楽器です。

それまでもBachを吹いてきて、いろいろ手を加えたり、楽器や奏法について沢山の事を学んできました。それなりに調子も良かったのですが、トラッドジャズを演っているとやはりヴィンテージ楽器に惹かれるもので、その思いはどんどん強くなってゆきました。
悩んだ末、それまで所有していたBachは“セミ・アーリーエルクハート(#216757、1982年製)”を残して下取りに出し、「TAO」でこの楽器を購入。
43歳の誕生日、ただ上手くなりたかったこれまでの自分とお別れをしました。

さて現代のBachとの違いですが、
●2ピース構造のバルブケース
●1番管がリバースではなく、トリガーなし
●ベルに「CORPORATION」の刻印
●サイドシーム
●大きな延べ座
●指掛け台座の尾ひれ
●ピストンのシリアルバンバー刻印
●真鍮製バルブガイド
といったあたりはマニアによく知られていることだと思います。

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しかしよく見ると他にも、
●ベル巻き返しに角がある(フレンチビードじゃないはずですが)
●ピストンケース枝管が短い
●ストッパーのロッドが固定式
といった違いが見られます。

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アーリーエルクハートは現代Bachに比べて幾分不器用な楽器で、吹きこなすためにはその時代や演奏への理解が要ります。
1番管にトリガーがないことや、音程や抵抗感にかなりバラつきがあることなど、初めは面食らいました。
でも「これぞラッパ」というニュアンスがあり、古い音楽が好きな僕にとってはかえって腑に落ちることが多く、今まで以上に音楽や演奏を楽しんでいます。

手打ちの刻印や飴色に変色したラッカーを眺めながら、楽器を征服しようとせず寄り添う自分というものを初めて感じています。

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※本来、僕が指向している音楽を踏まえれば1930年代の楽器が欲しいところですが、その年代のトランペットで実用に耐え得るものには出会ったことがありません(バルブの動き・音程など)。サックスなどと違い、やはりトランペットは寿命が短いのです。

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C.C.シャイニー・エアロケース

トランペットのケースは色々なものが世に出回っていますが、僕は“丈夫でコンパクトなシングル・ハードケースが良い”と思っています。楽器以外の荷物はその時々に応じて鞄を別に持つわけです。
最近の僕が3年ほど使っているケースは、これです。

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C.C.シャイニー・エアロケースと同じものですが、“Eastman”というステッカーが貼ってありました(剥がれました)。だいぶ使い込んでいるのもありますが、この色合いや、表面のシボ加工はEastman独自のものらしいです。
ハードケースなのに超コンパクト。飛行機内はもちろん、高速バスの狭い網棚にさえ収まります。内部クッションは楽器型にくり抜かれていて防御力十分。

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楽器以外にマウスピース1本分のスペースと、オイルやグリス、スワブなどが入る小物入れ(蓋付)があります。僕は楽器の隙間にクロスを押し込み、蓋の内側アンコに鉛筆とクリーニングロッドを差し込んでいます。

ストラップは邪魔なことが多いと感じるので付けていません。持つ(抱える)or 置く、これがシンプルで安全、ラクだと思います。とくにこのケースは極薄なので抱えやすいです。

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ただ、このケースは持ち手が粗末で壊れやすく、革製の持ち手に交換。

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さらに蓋を閉める金具も華奢で、内部のバネが切れてしまったので、シンプルな仕組みの金具に交換。念のため、僕はこのケースにベルトを必ず巻くようクセ付け、金具の閉め忘れ対策としています。

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中古で¥8,000で購入したケースですが、新品は2万円以上と結構するようです。でももし今のものが壊れてしまったら、また同じものを買うと思います(何色にしようか選ぶのも楽しそうです)。

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